理化学研究所(板橋分所)・・・・・我が国の物理学発祥の地

  (板橋区加賀1-7-13)

  

 理化学研究所は、大正6年に渋沢栄一を創立者総代として文京区駒込に設立された日本唯一の自然科学の総合研究所でした。日本で最初のサイクロトロンを完成させた仁科芳雄博士の(世界で2番目)研究室の研究グループが、戦後、疎開先から場所を探して移転したのがこの地でした。

 

 国内では例のなかった量子論、原子核、X線などの研究を行い、X線の代わりに宇宙線を研究していた仁科芳雄博士は、昭和26年に亡くなるまで研究室として使いました。その間、仁科芳雄博士を親方と慕った湯川秀樹、朝永振一郎両博士が分所を頻繁に訪れています。その後、正面入り口から左右に原子核の湯川、理論の朝永両博士が居室を設けるようになりました。

 

 湯川秀樹博士は、昭和24年に戦後初のノーベル賞を受賞し日本中に自信を与えたといいます。朝永振一郎博士は昭和40年に同賞を受賞しています。その名残は、近所の寿司職人を呼んでの懇親会の写真や理論研究ノートで伝えられています。更に、宇宙線の観測器「仁科型電離器」も分所内に鎮座していました。

 

 現在、この歴史ある分所を活用するのは、世界独自の表面加工の最先端技術を持つ大森整研究室です。光学の街、板橋区と共同研究契約を平成24年12月に締結し、区内企業と光学、医療部品開発に取り組んでいます。更に、未来の科学者を目指す子供達に研究現場とのふれあいの場として見学を歓迎しています。

  穏やかな空気が流れる中で、世界の物理学の最先端頭脳が受け継がれている板橋分所です。